砂の泉 (Suna no Izumi)
吹き荒れる風が砂を躍らせば
足跡は作り出す蛇をさらう
照り付ける太陽を背中に負い
先へ進む影は熱に喉を鳴らす
夢から醒めるように
全て変えてしまった
あれからどれ程の時が過ぎたのか
陽炎が地平線を燃やせば
大地は境界線を失う
予感していたはずの
枯れ果てた世界で
淀みきった瞳が映し出す
あてもなく彷徨い歩いた荒野に
蜃気楼が見せるオアシス
手を伸ばせば辿り着きそうな距離に
永遠に尽きぬ泉を信じて
泡沫の夢に溺れた
砂の泉に導かれ飲み込まれゆく
もう二度とは戻れない
叶わぬ願いに想いを馳せて
繰り返される過ちは
蘇る時を虚空に変える
乾いた北風は幻を吹き消し
孤独な闇夜を連れてくる
砂の泉に導かれ飲み込まれゆく